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開催告知

2019年9月2日(月)開催

第23回応用幹細胞医科学部門セミナー
  • 開催日時
    2019年9月2日(月) 16:00-17:00
  • 開催場所
    九州大学 馬出キャンパス 総合研究棟1階102号室

【第23回応用幹細胞医科学部門セミナー/新学術領域研究「配偶子インテグリティ」共催】

 日時:2019年9月2日(月)16:00-17:00

 場所:九州大学馬出キャンパス総合研究棟1階102号室

 対象:どなたでも参加可能です

 演者:篠原 彰 先生(大阪大学・蛋白質研究所・教授) 

 

 講演タイトル:体細胞分裂期と減数分裂期のゲノム安定化機構とその破綻

 

 要旨:DNA鎖の交換反応である相同組換えは、ゲノムの多様性を生み出す原動力になるばかりでなく、体細胞分裂期ではDNA損傷修復、特に染色体断裂に繋がるDNA2重鎖切断(DNA double-strand break; DSB)の正確な修復や、減数分裂期では相同染色体の分配と言ったゲノム・染色体の安定化に必須の役割を果たす。相同組換えの破綻は染色体/ゲノム恒常性の維持の異常−ゲノム不安定化—を誘発し、ヒトでは細胞の癌化や配偶子(精子、卵子)の欠損(不妊、流産)の原因になる。加えて、相同組換えは染色体上に起こる様々なゲノム安定化の機能と密接に連携している。例えば、相同組換えが、停止した複製フォークの再活性化に能動的に関わること、つまりDNA複製(の進行)に必須の役割を果たすことや、テロメア合成酵素が欠損しているガン細胞でのテロメアの伸長維持にも関わること、近年では、相同組換えを介したゲノムの安定化が個体の長寿と密接な関連を持つことも見出され、個体の恒常性維持を担う染色体機能として再注目されているゲノムの動作原理の1つと言える。相同組換えの分子機構の解明はゲノム不安定化を介した細胞がん化の理解やその治療方法の開発と言った医学的側面に貢献することが期待されている。

 相同組換えの中でもDNA間の相同性を検索し、交換する反応は真核生物に広く保存されているRAD51によって担われている。RAD51は一本鎖DNA上に多量体、フィラメント構造を作ることで、DNA鎖相同性検索、交換反応を行う。RAD51フィラメント形成は厳密に制御されていて、その集合にはRAD51メディエーターと呼ばれるタンパク質群により促進される。家族性乳がん原因因子の1つBRCA2はRAD51メディエーターであることが知られている。近年になり、RAD51フィラメント形成を負に制御するアンチリコンビーナゼが着目されて来ている。本講演では、ヒトにおける新規RAD51メディエーターと新しいタイプのアンチリコンビナーゼの強調的に働きについての最新の知見を紹介する。

 

問い合わせ先:林克彦 < hayashik@hgs.med.kyushu-u.ac.jp >

九州大学医学研究院応用幹細胞医科学部門ヒトゲノム幹細胞医学分野

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